元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
あたしは慣れたようにいつもの道を走り抜いていた。
そしてある公園の噴水まで辿り着く。
休日である今日は多くの子供がその周りを元気良く走り回っていた。
その中に腕時計を除く長身の男がいた。
「真幸!」
少し離れた所でそう言うと、彼の視線は腕時計から彼女の方に向けられた。
「今日は早いじゃん。」
駆け寄ったあたしの頭を撫でながら真幸は言った。
「でしょ?」
あたしはその手の邪魔にならないように顔を上げ、真幸と目を合わせた。
「じゃあ行こうか。」
頭を撫でていた左手は、いつの間にかあたしの右手を握っている。
「うん。」
あたし達はそのまま公園を出た。