桜姫紀
「すぅ・・。すぅ・・。」
「ん~・・・。」
「くー・・。くー・・・。」

歓迎会は遅くやったというのもあり、
みんなすぐに寝てしまった。
なんとなく、なんとなくだけど・・
私はここにはいたくなくて。

少し、外に出た。





その季節特有の風が吹いた。
それにあわせるように草木が動いた。

「どうしたんだ?」

「秋人さん。」

トン、と私の隣に秋人さんが立った。

「なんか今日よそよそしかったな。
まぁ、当たり前か!」

新人だもんな、と秋人さんは続けて言う。
ちがいます。
私は緊張のせい、だけじゃなくて・・・。

「・・わからないんです。」

「・・は?」

「人と、どう付き合えばいいのか・・。
なんだかみんなちょっと触れただけで壊れちゃいそうで
怖くて・・。」

はー、と秋人さんが私を見て考えこんだ・・・
けど、すぐに

「そう考える必要もないんじゃないか?」

「・・え?」

「お前が思ってるほど、人は簡単に壊れねーと思う。

考えて考えて思いつめていくこと。
そっちの方が俺は悪いと思う。

だって俺らは仲間だろ?」

ニカッとみせた人懐っこい笑み。
仲間、かぁ・・・。
胸につっかえていたものがすぅっとひく。

「そうですよね!」

私も秋人さんに微笑んだ。


あぁ、やっとわかった。
笑ったり、泣いたり、怒ったり・・・
こうすることが、

心が生きている、証拠なんだ------。
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