桜色の初恋
「それじゃあ」
「あぁ」
桜。
先生はそうあたしの名前を呼ぶと
あたしの手を引っ張り頬にキスを落とした。
「また明日な」
先生はイタズラっぽい笑顔を向けるとくるりと反対を向いて歩きだした。
先生と別れてあたしも歩き出す。
先生が初めてあたしの名前を呼んでくれた。
それが嬉しくて
本当に嬉しくて。
今までにない感情が溢れだす。
優しくてやわらかくて。
それでいて
とても悲しい。
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