幕末恋模様~時を越えて~


大丈夫なんかじゃないだろう?
だってお前の病気は…





『労咳』





なんだから。



戻ってくると二人は吐いた血を跡型なく消した。



「なぁ沖田…。」
「いつまで名字で呼ぶのさ。ちゃんと名前で呼んでよ。」
「…総司。」
「うん。それで?」
「何でもないよ。あ、早くしないと夕飯食いっぱぐれる!」
「あ、ほんとだ。急ごう!」
ぱっと立ちあがって杏里と沖田はその場を後にした。



―――食堂。


「よかったー。まだご飯残ってた。」
「ちっ、あと数分遅かったらお前らの飯は俺たちの胃袋ん中だったのによ。」


悪戯っぽく笑う原田。



冗談に聞こえませんって。
あんたら細いくせに胃袋は底なしだろうが。



苦笑いを浮かべつつ夕飯を食べ始める。
実は昨日の朝飯を原田たちに綺麗さっぱり食べられてしまったのだった。


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