幕末恋模様~時を越えて~



――桝屋内。


コンコン。コンコン。



「こないな時間に…。どちらはんどすか。」


いそいそと叩かれる戸を開けた。
見るとそこには浅葱色の隊服を纏った新撰組隊士がずらりといた。



「し、新選組っ!」


バンッ!


家周辺を囲んでいてた隊士たちが一斉に押し入る。
不敵な笑みを浮かべた杏里の声が屋敷内に響き渡る。


「屋敷内に居る者は全て取り押さろ、歯向かう者は斬り捨てて良し!♪」


屋敷の至るところから悲鳴が聞こえる。
杏里たちも続いて押し入り、古高を追い詰めた。


「桝屋喜右衛門だな?」
「古道具商桝屋喜右衛門。いや、古高俊太郎か。
お上にたてついてる不逞浪士を匿ってんのはわかってんだ。
神妙にしな。言い訳は屯所で聞いてやるよ。」


こうして古高俊太郎の逮捕劇が終わった。


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