君と学校で
教室にもどったとき、風音と友哉さんの戦い(?)はすでに終わっていた。

「おう、志音お帰り」

「風音ーーーー!!怖かったよ」

「え?ちょっと、何?どうしたの?」

いきなり私に抱きつかれた風音はだいぶ戸惑っていた。

それを見た友哉が海斗に聞く。

「何かあった?」

「実は……」

海斗さんがこれまであった事を何も知らない二人に話す。

「そういう事ね、とゆうか普通に逃げればよかったものの」

「う、なんか怖くてこしがぬけちゃって」


風音は分かったようにうなずく。

その隣で友哉が不穏に首をかしげる。

「なぁ、お前」

「何だよ」

「ちょっと耳かせ」

「はぁ?」

「いいから」

しぶしぶ言う事を聞いた海斗の耳元で小さくささやく。


(お前、ちゃっかり志音さんと一緒に逃げてんじゃねーよ。怪我したくないなれ見捨てて逃げればよかったのに)


それを聞いたとたん、海斗の目が揺らぐのを見て友哉は確信した。

やっぱりな。こいつ嘘付けねーもんな。

(バカかお前は、あの状況で見捨てられるわけないだろ)

(確かに…正義感の強いお前なら助けるかもしんねーけど、それは本当に危険な状況の時だけだろ。あんなん誰だって自力で逃げれるぜ)

(水城志音は無理だろ)

(なんで?)

(怖がりだから)

(もし志音さんが見つかってたとしても暴力ざたにはならねーよ。ここ学校だろ)

(わかんねーだろ)

(心配しすぎだろ)

(…………)

(きーまり、お前認めちゃいなよ、志音さんが特別ってことだろ?青春だな、はは)

(はは、じゃねーよ!なんかムカつくなそれ)

(まぁいつかはお前も気づくさ)

(気づくわけないだろ)

(はぁ......)

(何ため息なんかついてんだよ)

(ん、別に)

「おーい、ちょっと男子、いつまで話してんの」

見かねた風音が、いつまでも話してる男子に声をかける。そして、時計を指差す。

「もうすぐ授業始まるよ」

席に座っていなかったのは、海斗と友哉だけだった。
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