もう1度~私と先生と桜の木~

ただ1つの願い





「…なでー?

奏ちゃーん?

起きろーぉ!!」


ベシベシと肩を叩かれる。



「…ん?…え?

…あれ!?」


なんで!?

なんでこんな近くによーたくんの顔が!?


「バーカ!

お前が寝ちゃったからこうなったんだろ!」


「…うわっ!?

あ!あ…!ごめん…なさい…」


そうだ。

私いつの間にか寝ちゃってたんだ…


「…あれ?

よーたくんの降りる駅って…」


「誰かさんの頭がずっと肩にのってたからなあ…」


「ごめんなさい…」


ホームに立って頭を下げる私。



「ま、いいよ。

疲れてたところにアイツらがお前を誘ったのがイケなかったんだしな」


よーたくんはそう言って笑顔を見せる。



「…ごめんなさい、ホントに」


「いいって言ってんだろー?

次謝ったらデコピンだからな」


ニヤッと笑ったよーたくんは

昔と何も変わっていなくて。


結局、私はまたドキドキしてしまう。






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