もう1度~私と先生と桜の木~

ヒーロー






「…お疲れ様でしたー…」


「お疲れ様!っていうかテンション低くない?」


「いやあ…まあ、いろいろあって疲れてて…」


「そっかそっか。

いいね~若いって!」


バイト先の先輩に肩をバシバシと叩かれる。


あはは、と苦笑いでその場をやり過ごしロッカーで着替える。


いつもは早く帰るためにさっさと着替えるけど。

でも今日は気が重い。…というか重すぎる。

そのせいで着替えもノロノロと遅くなる。


一緒にあがったバイト仲間が次々と帰っていく中、ポツンと1人だけ取り残される。


おもむろにケータイを取り出し、

イヤイヤながら開いてみる。


案の定、メール一件。


差出人はテルくん。

内容は


『バイトお疲れ様。

外で待ってる』


それだけ。


…もう、イヤだ。

正直言えば、めんどくさい。


いくら話しあったところで、

テルくんが私の知らない女の人と寝たことに変わりはないんだから。








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