裏生徒会部


佐野は下を向く。

どうやら俺の言葉選びは間違っていたようだ。

泣かれるのは困る。


「好きな人がいるんですか?」

「…関係ないだろ」

「関係あります。…浅井静音さん、ですね?」


また俺の方へと顔を向けた佐野は泣いてはいなかった。

ただ、先程とは違った顔つきだ。

つーか、なんで知ってるんだよこいつ。

肯定も否定もせず、黙っているとまた佐野が口を開く。


「…わかりました。わざわざ話を聞いてくれて有難うございました。では」


そう言って、校舎の方へと戻って行った。

「諦めたわけではありませんから」と言葉を残して。



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