裏生徒会部


「これでよし」といつも静音の座っている席の机に紙を置く。

次は王子野を立ち上がらせ、ドアの方向へと手を引いた。


「えっ柚希ちゃん?」

「善は急げです、早速行きましょう!」

「えぇっ!?ど、どこに?」

「そうですねーまずは話を聞くのが一番なので…ってちょっといっちー先輩も行くんですよ」

「え。俺も?」

「当たり前じゃないですか」


そう言い、戻ってくると手首を掴み、強引に引っ張る。

俺は留守番を頼まれていたはずなんだが…。


「静音が戻ってくるまで待ってた方がいいんじゃないか?」

「今、先輩は別の依頼を受けてるんですよね?」

「あぁ。そうらしいけど」

「では、この依頼は私と柊也先輩でやるべきです」

「なんで」

「今まで先輩は1人で頑張ってきたんですから、入部したからにはいつまでも先輩に頼ってては駄目だと思うんです」


俺が入ってからも、基本的に俺が部室で留守番をして静音が1人で依頼を行っていた。

あとは2人でやるか。

1人でやったのは体育祭前の時とボランティア部の水やりの時…ぐらいだな。


< 709 / 739 >

この作品をシェア

pagetop