裏生徒会部


栗原は肯定も否定もすることもなく、手を頬に添え、「んー…」と口にする。


「そうねぇ…可愛くなる努力をすれば女の子は誰だって可愛くなれるわ」

「その努力とは具体的には?」

「例えば、メイクね。メイクの方法はこの世に何通りもあるわ」

「そうですね」

「その何通りもの中で自分が一番可愛く見えるメイクを探すのも努力の一つだし、メイクに限らずヘアスタイルもお洋服も同じことが言えるわね」

「ふむふむ…」

「他には姿勢なんかも。背筋をずっと伸ばしているのは正直疲れるわ。でも、楽に猫背でいるより姿勢がいい方が綺麗に見えるじゃない?」

「確かに。彩ちゃん先輩はいつも姿勢良くて綺麗ですよね!」


宮井は栗原の言葉をすらすらとノートに書いていく。

王子野は頷きながら、話を熱心に聞いていた。

俺は聞いていても正直わからないが。

それから栗原の話は数十分続いた。


「…とまぁ、言い出したらキリがないくらいたくさんあるわね」

「栗原先輩、凄いですね…」

「やっぱり彩ちゃん先輩、尊敬します!参考になりました!」

「ふふっ。私の話だけど、参考になったのなら良かったわ」

「では早速、次の場所に行きましょう!」

「え?次?」


立ち上がる宮井を見て、驚く王子野。

どうやらまだ行く場所があるらしい。

「えーっ」とごねる栗原をなんとか笹島に押し付け、俺はそそくさと部室を出た。

宮井と王子野は律儀にお辞儀をし、部室を出る。


「あ、2人とも。もう1つあるの」


そうドアから顔を出す栗原を見て、首を傾げる。


「好きな人がいれば自然に可愛くなるものよ♡」


栗原はそう言い、ウインクをすると手を振って俺たちを見送っていた。

< 725 / 739 >

この作品をシェア

pagetop