《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
「今はわからなくていいけれど。

とにかく真実を聞いても、
柊弥から逃げない。

それだけ、約束してほしいの」



“逃げない”



その言葉にあたしの体が
ピクッと反応した。



美香子さんの声が――
あたしの中に残るあの
声と、ピッタリ重なったから。



『逃げんなよ、梓』



あたし達が本当に結ばれた
あの日、柊弥が言って
くれた言葉。



その響きは今も、少しも
くもることなくあたしの
胸の中に残ってる。



“逃げない”――それは
柊弥があの日あたしに
示してくれた、一筋の道だ。



「―――わかりました。

約束します」



あたしは美香子さんから
目線をそらすことなく、
静かに言い切った。
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