《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
(今さらそんな優しさ
見せたって――)



逆に腹がたってあたしは
その手を振り払おうとする。



けれど次に美香子さんが
告げた言葉に、その手は
止まった。



「優しいのね、あなたは。

だから――…

あなたのおかげで、やっと
柊弥にもこの想いが
伝わったのよ」



「え…………?」



瞬時に意味が理解できず、
あたしは泣きはらした顔の
まま美香子さんをポカンと見た。



そんなあたしに、美香子
さんは切なさと優しさの
入り混じった笑みを浮かべて、



「この間あたし達が
会ってたのは、柊弥の方
からあたしに話があると
言ってきたから。

最初からあたしがあの場に
いることをわかってて、
イベントに参加したみたい
だったわ」
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