《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
しばらく会話はなく、
ゲームの効果音と時おり
郁実があげる『えいっ』
とか『うわ!』という
声だけが響く。



だがやがて、オフクロが
その沈黙を破って、



「……何にもないだなんて
嘘でしょ?

どうしたの? 何か、悩み事?」



「え―――…」



……ったく。大ざっぱで
天然なくせに、こういう
ことだけは妙に鋭いからまいる。

――それが親ってもの
なのかもしれないが。



「……たいしたことじゃないよ」



それでもいい加減そんな
歳でもないオレは、素直に
打ち明ける気にはならず
曖昧にごまかした。



オフクロは少しだけ
寂しそうな顔をして、



「いつだって頼っていいのよ。

あなたは私の息子なんだから」
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