《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
そっと殻を壊しその手を
伸ばして、あたしを引いて
くれたよね。




あたしはあの日、あなたの
手を握り返した。



それは何十年かぶりに、
あたしが何かを求めた瞬間。



もう忘れかけてた感情
だったけど――たしかに
あたしは思ったんだ。



“あなたが欲しい”って。



“あなたを信じたい”って。




どうかお願い。

誰も、この感情を責めないで。



あたしが希望を持つことは
罪じゃないって言ってほしい。



ずっとその感情を忘れてた
あたしには、まだまだ
新しい毎日は不安で……。



あなたのことを想うと、
時々むしょうに怖くなるから。
< 2 / 227 >

この作品をシェア

pagetop