《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
お前を愛してないから
言わないんじゃない。



愛しているからこそ、言えない。




だけどその想いさえ、
オレは口にするすべを
持たなくて――…。



結局はアイツを抱く腕に、
想いのすべてを込めるだけ。



切なげに目を伏せる梓の
背中を掻き抱いて、オレは
折れそうなくらい細い体を
抱きしめる。



「ん……柊、弥……っ」



苦しそうに声を漏らして
オレを見つめる潤んだ
瞳は、どんな宝石よりも
なまめかしくてキレイだ。



その漆黒の闇に、オレは
沈むように吸い込まれて
いく――…。





“愛(イト)しすぎて、怖い”




そんな感情を、オレは
生まれて初めて感じてた。




     ☆☆☆☆☆



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