君がいれば・・・②
総支配人室のドアをノックすると伯父の「はいりなさい」と言う声が聞こえてきた。



「失礼します」



瀬奈はドアを開けて中へ入る。



「瀬奈、座りなさい」



伯父は大きな机を回ってこちらへ来る所だった。



瀬奈は言われたとおりソファーに座る。



「倒れたと聞いたものでね、2日間休んだだろう?心配していたんだ」



2日間の休みを伯父はあの時のせいだと思っているらしく瀬奈は韓国へ行っていたと言い出せなくなった。



「あの……もう大丈夫です」



あれ以来、ナイフを見ていないからなんとも言えないのだが。



「そうか、心の傷はなかなか治るものではない」



「大丈夫です」



まだ心配そうな伯父に笑みを見せる。



「伯父さんにお話があったんです」



「なんだね?」



「1ヵ月後に韓国に行く事になったんです」



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