君がいれば・・・②
海岸沿いに車を停めるスペースに車は停まった。



「外は寒いけど出てみる?」



「うん 出たい」



海に来るのはずいぶん久しぶりだな。



今年の夏も来られなかったし、去年の夏も海へは行かなかった。



シンは後部座席から毛布を持つと外に出た。



海岸の向こうにはっきり言って綺麗とは言えない海が見えた。



瀬奈はすぐ側の木のベンチに座った。



そこへシンが瀬奈の身体を毛布でくるむ。



「シン、大丈夫だよ コートも着ているし」



笑ってお礼を言う瀬奈の隣にシンも座った。



「具合が悪くなって欲しくないからね」



「シン……大好き……」


自分を愛してくれるシンがたまらなく愛しい。



「セナのそんな顔が見られたからここへ来た甲斐があったな」


シンが笑顔を向けた。


しばらく話をしながら荒れた海を見た。


毛布に包まれている瀬奈の身体が寒くなってきた。



「身体が冷えてきたな もう行こうか、待ち合わせの時間に遅れないように」



シンが腕時計を見ながら瀬奈を立たせた。



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