君がいれば・・・②
「だ、大丈夫……ちょっと驚いただけ……」



そう言うものの表情は暗い。



瀬奈はデパートで襲われた時の事を思い出してしまった。



あの時の恐怖がよみがえり平常心ではいられない。



シンは瀬奈の肩を抱き寄せると、車を出すように合図した。



車は滑るように動き出し、外のファンの声が聞こえなくなった。



「少し眠るといい」



シンの肩に頭を置き言われたとおりに目を閉じた。




すぐに小さな寝息が聞こえてきてシンは安堵した。



「先ほどは申し訳ありませんでした。大丈夫でしょうか?かなり震えられていましたが……」



助手席に座っているドヨンが振り返って聞く。



「可哀想な事をしたな……」



彼らが一生懸命守ってくれている事を知っているシンは彼らを責めなかった。



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