君がいれば・・・②
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シンはホテルに戻った。



部屋に入ると自動的に明かりが点く。



お帰りなさいと言ってくれる声は聞こえなかった。



やっぱり家に戻ったのか……。



瀬奈の姿を期待したシンだが、やはりいなかった。



電話をかけるには遅い時間だ。



すでに深夜を回っている。



今頃、瀬奈はぐっすり眠っているだろう。



******



瀬奈は起きていた。



シンの電話を待っていた。



わがままな子供みたいな事しちゃった……。



ジフンさんでなく、シンが電話をしてくれていれば帰ってこなかった。



忙しいのは分かるけど、今までジフンさんから電話をもらう事はなかった。



携帯を片手にベッドの上で体育座りをして膝に頭を乗せる。



シン……。



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