天使に恋した悪魔
朝 ちょっと心が動いたのは 起きたてでボーッとしていたから。


そう思ってた・・・。


「な。お前さ、最近夢とか見ねぇ?」
それは司が急に真面目な顔をして放った一言だった。
今は学校に着いて二人で話していた所だった。
「ぇ・・・?」
ド キ ン ッ ーー
心が揺れた。
動揺したんだ。
私は実際 夢を見ているから。
この所 連続で見ているから。
「見てないか、夢・・・」
司は相変わらず真剣な顔。
何だって言うの?
「見、てるわよ。」
「ど!どんな夢だッ!?」
どんな夢、て。
私は私じゃなくて。
天使みたいで。
好きな人はアンで。
そんな メルヘンな まるで作られたお話みたいな夢・・・。
「あのねっ、わたしがー・・・・」

キーンコーン
カーンコーン

授業の始まりを告げるチャイムが鳴る。
「はい。席についてー・・・・」
前には先生が机に手をついて立っている。
「・・・。続きはお昼、昼飯でも食いながら聞くわ。」
司の言葉に私は
「うん・・・」
しか言えなかった。
何なの?
夢には 何かがあるの?
連続で見ているのにも意味があるの?
私には 分からないよ。
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