天使に恋した悪魔

私じゃない。

「は？お前この前、夢見たって・・・・」
司は 驚きの色を見せた。
そう 確かにエリカとアンの夢を見た。
だけど、違う。
私の視点はエリカの視点じゃなかった。
つまり エリカとアンの様子を遠くから見ていたのが私 ということになる。

「私は多分エリカじゃないよ。」

司に夢で見た視点の話をした。
結果 私はエリカではないと思った。
「司・・・司は私がエリカじゃなくても好きって言ってくれる・・・・？」
私は 司ならもちろんと笑って言ってくれると思っていた。
だって 今までずっと私に「好き。」って言ってきた奴だもん。
でも 返ってきた言葉はー・・・
「ごめん。」
の たった一言だったんだ。
私は その場から 動けなかった。
まるで 時が止まったかのように 長い時間が過ぎていく。

フ ラ れ た 。

そりゃそうだよね。
私なんか 何の取り柄もないし ずっと司に嫌いって言ってきた奴だもんね。
ごめん。

ごめんね司。
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表紙・目次

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