恋した私の負け(短)
恋した私の負け





「かーなめ、はよっス」

「……ス」

「今日も元気ないねぇ」

「低血圧万歳」

「ダメダメじゃん」


毎日変わらない朝の挨拶。

朝からテンションの高い彼をチラッと見上げて、私はすぐに机に突っ伏した。


「こら要、寝てばっかいないでたまには俺の相手しな」


わしゃわしゃ髪がかき乱される。これもいつものこと。


きっともうすぐあの子に呼ばれて、彼は席から……私から、離れていく。


1年近く、ずっとこんな朝を繰り返していても、彼がいなくなる瞬間は未だに慣れない。





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