First crush

「でも俺は断った。『俺には彼女がいる』って」
「・・・っ・・・」
「初めは好きでもないのに付き合った。」
「・・・うぅ・・・」
「でも付き合ってわかった。初めてこの人を一緒に居たいって思った。ずっと翔子の笑顔が見たいって思った。初めは軽い気持ちだったけど今は・・今の俺には翔子しかいない」
「じゃ・・・ふ、なんで話してくれないの・・。いつもあたしばっかり」
「それは・・・恥ずかしかった。好きな奴といるのがこんなにも嬉しいことなんだって思ったら話せなくて・・。おまえといると緊張するから話せなかった。ごめん・・」
「もう・・いいよっ」
「翔子・・」
先輩は翔子を抱きしめた。
「好きだよ」
「・・・初めて言ってくれたね・・・」
翔子は涙でボロボロだけど笑顔をつくった。
よかった。
あたしたちはそっと、その場から離れた。
二人はこれからスタートするんだ。
新しい恋を。