First crush
「え・・・えっと」
「うん」
「あの・・・」
「ココじゃ言いづらい?」
「え・・?」
先輩は「ちょっと待ってて」そう言って先生の所に走って行った。
それからすぐして戻ってきた。
「移動すっか」
先輩はあたしの腕を掴んで保健室に向かった。
「あの、先輩ッ!部活は・・?」
「先生がいいってさ。だいぶ、さえのこと気にしてるからな」
「そーですか・・」
「んで?」
「え?」
先輩はあたしを近くにあった椅子に座らせた。
「話しの続き」
「あの大したことじゃないですよ・・?」
「いいよ」
「あたし―・・・」
「うん」
「先輩たちが修学旅行行ってる間寂しいです」
あたしは顔を少し上げて先輩の顔を見た。
先輩は少し驚いてる。
どうしよう。
絶対変な子だって思われた。
あたしは隠すように下を向いた。
そしたら―・・・
「せ、先輩・・?」
先輩があたしを抱きしめてる。
「・・・俺だって寂しいよ」
「・・え・・」
「俺もさえと離れるの嫌だ」
どうしようどうしよう。
ドキドキする。
あたしは言いたかったことを言うと決心した。
「せ、先輩は・・あたしのことどう思ってますか・・?」
「さえの・・こと?」
「はい」
「俺にとってさえは大切な人」
大切って。
それはどういう意味・・?
「大切なマネージャーだもんな」
そういうことか。
あたしは先輩にとって“大切なマネージャー”でしかないんだ。
「あ、ありがとう・・ございます」
「うん?」
「もぅ大丈夫です」
あたしは急いでその場から逃げた。
涙がでた。
別に期待してた訳じゃない。
でも・・・あまりにも悲しくて。
あたしは外の綺麗な花壇の所にしゃがみ込んだ。
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