【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
皆川会長が花火大会なんぞ知ってるのは、多分春風の入れ知恵だろう。あー糞、面倒だな。断ったらぶっ殺されそうだな。まだ死にたくねぇしなぁ。


「っち!しょうがないな。分かりましたよ。案内しますよ」


《もっと可愛く返事出来ねえのかよ。皆川会長とデートだなんて!ひよこ嬉しいわ!みたいな》


出来るかそんなリアクション。キモいわ。実際やったらキモがるだろうが。


私が心の中でつっこんでいると、皆川会長がククク、と笑い出す。なんだ、この笑いは。


《ひよこの顔が手に取るように想像出来る。……じゃあ、明日迎えに行くから》


皆川会長は最後に優しくそう言うとさっさと電話を切った。


な……なんだあの「明日迎えに行くから」の甘い声!キュンじゃねぇかよ!ビビるわ!
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