【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「ひよこはあいつらに混ざりに行かないの?」


「いや、行くけど」


「え、それ着たまま?」


アッキー先輩の指してる『それ』とは多分私が煩わしいと思っているパーカーのことだろう。


「一応防水だし大丈夫。……まぁホントは脱ぎたいよ、鬱陶しいし。でも会長が珍しく可愛い顔で脱ぐなって言うんだよ。何でか」


私がさっきの皆川会長の『む』の口を真似すると、アッキー先輩はコロコロと喉仏を鳴らして笑う。


「普通さー、そこまで来たら気付かね?壮平も自覚なしっぽいし、鈍感コンビ。ふはっ」


「は?なんなの?まぁいいや。アッキー先輩も行こう」


二人で話してるうちにはしゃぎ組に会長が混ざり、ビーチバレーを始める準備をしているみたいだ。私達も、そちらに合流することにした。
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