ボクらのツバサ


「お前さ、そんなに未練あんなら告れば?」


陵の言葉に一瞬ビクッとなる。


「…いや、それはしねぇー」


一旦、止めた手を再び動かし、メールの返事を打ち始める。


「お前、それでいいわけ?」


納得いかなさそーな顔をする陵…


でも俺は、この気持ちを変える気はねぇー




俺は、背伸びをしながら席を立ち『便所行ってくるわー』と陵に手を振り、その場を逃げるように去った。




(……今さら告った所で、どーにかなるワケでもねぇーし…… このままの状態が一番ラクだぜ……)





教室を出て行く俺の姿を、呆れたような顔で陵が見ていた事に、気付かぬフリをした…



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