..+**Aliceガーデン**+..


「嘘つかないで?」
「嘘なんて……」


私は口をごもらせる。


「僕の得意な魔法を忘れたの?」
「あっ…………!」


ついつい、声を出してしまう私。


アレンの得意な魔法……


それは、人の力を制御しているところをみれる……


魔法だ。


「僕は、見てたよ?」
「あんなに、嫌がってたのに……心のどこかで、レイスと結ばれたいって思ってたんじゃない?」


アレンが冷たく、鋭く言い放つ。


「そんな事、ないよ……? そんな事、あるはずない……」
「じゃあ、どうして?」


泣いてる……?


アレンの声は震えていた。
目からは涙が溢れ出している。


「なんで、泣いてるの?」


私は分かっていながらもそう口にする。


「分かってるくせに、聞かないでくれない?」


相変わらず、冷たい声。


初めて……きいた……。
こんな、アレンの声……。


私の心を深く傷つけて行く。


そして、遠くなる距離を埋める事は……。

< 34 / 80 >

この作品をシェア

pagetop