..+**Aliceガーデン**+..


「えっ……?」


おかしい……
だって、私はみんなをしたがえに来たわけじゃない。
なのに……どうして?


私はなんとか、サリーから逃れると、口を開いた。


「みんなは、勘違いしてる! だって、私はみんなをしたがえに来たつもりなんて、ぜんぜんないんだよ! なのに、なんでそうなってるの?」
「だって、普通の貴族はちゃんと、貴族の学校へいくものでしょ? なのに、こんな普通の学校に来て、したがえにきたほかになんの目的があるの?」
「私は貴族なんて嫌い。だから、普通の学校に「バカな事言わないでよ!!!」


サリーは叫んだ。


「そんなの、あんたが貴族だから言えるのよ!! 私達がどんなに苦しんでるか、わかってないんだ!!」


わかってない?
苦しい?
そんなの、貴族の方がもっと……
苦しいに決まってる。


なんか、ムカつく……。


『なら、その怒りをすべて、ぶつけましょう? きっと、楽しいわ♪』


その声をきいた時にはもう、遅かった。


目の前で、腕に大きな傷から血を流したサリーがいた。


「えっ……なに? なんなの? いや、いや、いやぁぁぁぁ!!!!」



その後私は、意識を失った。
目覚めた時は体全身が痛み、真っ白な包帯を赤く染め上げるほど血を流した自分の姿をみた。


あの場にいたクラスメイトがやったらしい……。


それ以来、私に人はあまり寄り付かなくなった。


< 59 / 80 >

この作品をシェア

pagetop