涙人
「ちょっ… 重藤さん!?」
看護士があたしを呼び止めるのを無視して、あたしは全速力で走る。
頭痛い……………
息が苦しい…………
それでも、あたしは行かなきゃいけない。
階段を降り始める。
時々足がもつれそうになるが、なんとか体勢を整える。
その時―…
「あっ―…!!」
体が思い切り床に叩きつけられ、全身に激痛が走る。
「誰かーっ!!」
…周りからは悲鳴が聞こえ、助けを求める声が飛び交う。
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