涙人


何か大切な事を忘れてる気がする。


必死に思い出そうとするけど、だんだん頭痛が酷くなる。


「志帆、あたし、何も思い出せない」

「え?」


一瞬、志帆の動きが止まった。


「昨日、志帆と亜由那とミスドで遊んだのは覚えてるの。でも、それからの記憶がない」

「天音、それ… 本当?」

「うん…」


志帆があたしに背を向ける。


「ふっ………!!」


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