ペテン師の恋
十章 覚悟
約束の日曜日。






美里は前日用意した、キャバ譲にみられない、普通の服を買いに行った。






ナチュラルな感じで、少し大人っぽいワンピースに身を包み、久しぶりに普通の「美里」になれた気がした。






飾らなくてもいい、背伸びしなくてもいい。






車を持っていない二人は、現地で待ち合わせした。







二人が初めてのデートに選んだ場所は、水族館だった。






美里は一度も行ったことがなく、ずっと憧れていた場所だ。






もちろん、行こうと思えば客ともいける。






だが、憧れの場所はプライベートで行きたかった。






だから、聖とのデートは水族館と美里の中で決めていた。






いつも以上に気合いをいれて、なんども鏡チェックをして、出かける美里は、自然と優しい表情になっていた。






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