二重人格王子VS二重人格姫


「おいおーい」


固まった俺の目の前で、涼が手をヒラヒラさせてくる。


「………なんだよ」



小さくため息をつきながら涼を見ると、珍しく真剣な顔をしていた。



「美華ちゃん、さ。あいつ……中谷優斗と付き合ってるって噂あること、お前知ってた?」



「は?…知らねぇよ、んなこと。それに、噂だろ??別にどうでもいい」



そんな強気な言葉とは裏腹に、俺は内心むちゃくちゃ動揺していた。


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