極上ブラザーズ!!(仮)
Chapter8.Library Wars




「ふああああ」


大きな欠伸。

それが、授業中だったのを忘れて出てしまったのが運のツキだった。



「……お前、余裕だな」


数学の先生、インテリちっくで銀縁の眼鏡をつけた――氷室先生がニヤリと笑っていた。


こ、この先生……噂で聞いたことがある。
生徒に嫌味を言うのが趣味ってぐらい意地悪な先生だって……。



「あ、は、はは……」


私は顔を引きつらせて笑うことしか出来なかった。


「放課後、職員室まで来い。分かったな。強制だ」


本当に有無を言わさない口調。
目は嬉しそうなのは気のせい……だよね?


「……はぁい……」


――さ、最悪……。


私がガクリと肩を落とすと、先生は愉快そうに笑みを浮かべ教壇へと戻っていった。


< 124 / 169 >

この作品をシェア

pagetop