【完】TEARS−ティアーズ−
「おま、なにっ…言ってんの?」
ほら、やっぱり怒っちゃった。
「ご、ごめ……」
って、あれ?
郁君の頬がほんのり赤くなってて。
もしかして、怒ってるんじゃなくて……照れてるのかな?
「あはっ」
それを見て思わず笑ってしまった、あたし。
だって、あまりにも意外で。
そんな、あたしを見て
「笑ってんじゃねーよ、バーカ」
って、妖艶な笑みを零した郁君に。
――ドキンッ
胸が大きく高鳴った。
カーッと顔は熱くなってきて。
な、なに、コレ。
あたし絶対、顔真っ赤だ。