いつか、きっと…

ふざけんな。

「あらぁ、眉間にしわ寄ってるわよ。梅ちゃん。大丈夫?」

「…大丈夫です」

「冷たいわぁ。あなた、梅ちゃんが酷いわ。」

「梅、母さんに向かってその態度はないんじゃないか?」

「…はい、すみません。」

「梅ちゃん、ごはん、まだかしら?」

「…もうすぐです。」


「…どうぞ」

「なにかしら?これ?」

「…卵焼きです」

「それにしちゃあ、茶色いわね。」

「そうか?普通だぞ。」

「そ、それもそうね。あなた。」

相変わらず、お父さんには弱いんだ。

「じゃあ、私行ってくる。」

「いってらっしゃい。」

「桜ちゃんはいい子ね。」

「……」

「じゃあ、私も出掛けるよ。」

「気をつけてね。あなた。」

「あぁ。」



「私、お風呂入ってくるから、洗いものしとけよ。」

「…はい」

はぁ、洗いものかぁ。

「おい、これ風呂場にあったんだけど、桜ちゃんのじゃない?私、お風呂から上がったら仕事行くから届けとけよ。」

バッシュだ…
わざとだな。

「…はい」


はぁ、終わった。あいつも行ったし、行くか。


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