アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

タクシーに乗り、眠らない街を見てるいると自然に涙がこぼれる。



この街にいるだけで伸也さんのことを思い出す。



伸也さんに出会い、好きになり、始めて愛し合った夜……どれも鮮明に蘇る。



「着きましたけど」



タクシーはいつの間にか家の前についていた。



お金を支払、家の中へと入る。



真っ暗な玄関に「おかえりなさい」と言うママの姿を思い出した。



私もママのことを言える人間ではなかったみたい。



好きな男に捨てられて、簡単に嫌っていた男の世話になるんだから。



私も最低な人間だ。



自分の部屋に入り、ベッドの上に倒れこんだ。



そして、そのまま眠りに着いた。


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