アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

遠回り



2人が出て行った部屋は静まり返って、何だか落ち着かない。



「亜美、平気か?」



「うん」



「俺は沢山の人を傷つけてきた」



「そんなことない」



私の言葉に伸也さんはフッと笑い、頭を撫でてくれる。



「またここで、一緒に暮らすか?」



「いいの?」



「あぁ」



「荷物……祐の家だ」



「買えばいい」



「そうだね」



「風呂入って来い。上がったら傷の手当だ」



「はーい」



私はシャワーを浴びて、伸也さんのジャージを着た。

< 369 / 688 >

この作品をシェア

pagetop