アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「亜美、俺を見ろ」





「大丈夫なのかな?!よくわからない。たまさん死んだの?」





「あぁ」



死んだって言葉の意味すらよくわからなくなっていて、取り乱したりすることはなく、何故か頭の中はいつもより冷静だった。






「…ど、どうして、伸也さんが知ってるの?」






「亜美、遺書の中に俺の連絡先が書いてあったらしくて、家族が連絡してきた」







確かにたまさんに伸也さんの携帯の番号を教えてあった。





私に繋がらない時は、伸也さんに連絡してって渡したはず。





「お前に連絡して、取り乱す事を予想して俺の連絡先を書いたんだろう」






伸也さんの言葉に涙が出そうになる。





たまさんはいつも私の味方で、いつだって私の心を大切にしてくれた。





「伸也さん!!」





「いきなりでかい声出すなよ」





「ごめん…遺書って…」





「自殺らしい。爺さんと…」



< 488 / 688 >

この作品をシェア

pagetop