アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、俺を見ろ」
「大丈夫なのかな?!よくわからない。たまさん死んだの?」
「あぁ」
死んだって言葉の意味すらよくわからなくなっていて、取り乱したりすることはなく、何故か頭の中はいつもより冷静だった。
「…ど、どうして、伸也さんが知ってるの?」
「亜美、遺書の中に俺の連絡先が書いてあったらしくて、家族が連絡してきた」
確かにたまさんに伸也さんの携帯の番号を教えてあった。
私に繋がらない時は、伸也さんに連絡してって渡したはず。
「お前に連絡して、取り乱す事を予想して俺の連絡先を書いたんだろう」
伸也さんの言葉に涙が出そうになる。
たまさんはいつも私の味方で、いつだって私の心を大切にしてくれた。
「伸也さん!!」
「いきなりでかい声出すなよ」
「ごめん…遺書って…」
「自殺らしい。爺さんと…」