アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
パチパチ
遠くでそんな音がする。
その音にあわせて頬が痛い。
「亜美、起きろ」
「……し、んや……さ、ん?」
朦朧とする意識の中、目を開けると、伸也さんが私の顔を覗いている。
「起きろ」
「はい」
睨まれている私は今すぐにでも起きて、その鋭い視線から解放されたい。
それなのに、体に力が入らない。
「伸也さん、起こしてもらえますか?」
「甘えるな」
「起きたいんですけど、力が入らなくて」
嫌そうな態度だけど、伸也さんはゆっくりと体を起こしてくれた。