【原作】妖精なアイツ
「えっ?
ヒカル様が行くって言ったの?」



体育の授業中。
桃子ちゃんの声が高くなる。



「そやで?
何?何かあるん?」



私はバスケットボールを持ってシュートを狙う。



「ヒカル様はねえ、
あんまり人には興味示さないのよ。
だから誰かと遊びに行ったりとかって全然無いんだよ」



ナオが説明する。



「もしかして、
ヒカル様…美希ちゃんにフォーリンラブ??」



桃子が興奮して叫ぶ。
私はその声に驚いてボールを滑らし、ゴールに入らなかった。




「まままっままさか!!」



私の声は裏返っていた。



シュートの決まらなかったボールをナオが拾い、
私に渡す。



「何?惚れられたら何か都合悪い?」



ナオは笑いながらシュートを決める。
ボールは見事に入った。




「そ、そりゃ…」



私には染五郎さんが…。



「美希ちゃん、誰か好きな人いるの!?」



顔を真っ赤にさせている私を見て桃子ちゃんがからかう。



「…秘密!」



そう言ってボールを投げたが、
ボールはゴールに入らず、空しく弾むだけだった。


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