【原作】妖精なアイツ
「…考える。」



私がそう言うと妖精は笑って小杉を歩かせた。



妖精が前に座って、
私が後ろに座っている。



私は頭を妖精の背中に乗せた。



妖精は一度こちらを見て、
またすぐに顔を前に戻した。





なんやろ…
妙な空気やな。



ふたりの顔が赤くなっているのに気付いたのは、
小杉だけだった。



小杉はゆっくりゆっくりと、
足を動かした。



小杉はただ、
ふたりをじっと見守っていた。










「おはよーう!」



学校に着くと、
桃子が元気よく挨拶してきた。



「あれ~?
ふたりで登校だなんてあやし~い」



その調子でからかってくる。
ナオが『止めな』と桃子の耳をつねった。


ナオの手や机には沢山紙がのっている。
どうやら実行委員の仕事をしていたようだ。



「早速で悪いんだけど、
これ渡してきてくれない?

文化祭の書類なんだけど、私他の仕事で手が離せなくて」



「ああ、いいよ!
誰にだい?」



妖精は心良く引き受けた。




「桜井先生にお願い。」



妖精は少し固まった。
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