2人のゴール
【慎也side】

 懐かしいなぁ。
 みんなに合うのは久しぶりだぁ。
 咲月はずっと一緒だけど。

 なぜか女に囲まれてる俺。
 俺ってこんなにモテたっけ?

「名前なんていうんですか?」
 敬語かよ。同じ歳なのに。
「吉田慎也」
「そんな人いたよねぇ」
 ぜってぇこいつら覚えてねぇだろ。
「仕事は何していらっしゃるんですか?」
 その話し方マジでやめてほしい。
 だって、敬語なんて話しにくいじゃねぇか。
「中華料理を扱う仕事」
 扱うっていっても、料理をするわけじゃねぇけど。
「へぇ~。すごいですね~」
「私、中華料理大好きなんです」
 ホントかよ。
「彼女とかいるんですか?」
 こいつら、俺と咲月が卒業式の日から付き合い始めたの知らねぇのかよ。
「俺、結婚してる」
「「えぇ!」」
 そんなに驚くことかよ。
 なんか、ウザい女子高生みたい。
 まだ25だから気持ち悪くはねぇけど。
「そこにいるよ」
「「どこですか?!」」
 マジでウザい。
 こんなに女子に囲まれてると、咲月に浮気してるってお思われるんだけど。
「咲月!こっち来いよ」
 咲月はこっちをにらんでる。
 っていうか、女子に囲まれたくて囲まれてるわけじゃねぇよ。
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