2人のゴール

君が好き

【咲月side】

 いつからだろう。こんなにドキドキするようになったのは。
 
 ある日の部活が帰り。
 慎也に聞かれてしまった。
 秀介が好きってことを。
 っていうか、秀介のことなんて全然好きじゃないんだけど。
 なぜか、慎也には聞かれたくなくて。
 慎也に聞かれてしまったら、慎也が私からどんどん離れていってしまう気がして。怖かったんだ。
 慎也は信じてしまったみたいだ。
 そんなの嘘なのにぃ。
 
 慎也は私にいじわるなことばっか言ってくるし。
 慎也は、私のこと嫌いなのかな?
 
 
 音楽だけが聞こえる、車の中。
 車は今高速道路を走っている。
 その時私が考えていたこと。それは、慎也のこと。
 私はいつのまにか、亮じゃなくて、慎也のことを考えてしまっている。
 
 私ね、気付いたよ。

 
  慎也が好き。

 慎也は、いつも私のそばにいて、全然気付かなかった。
 近すぎて、分からなかった。
 私のそばには、いつも慎也がいたってこと。
 
 慎也が好きってことを自覚すると、不安が私を襲う。
 慎也は勘違いしてしまったんだ。私の好きな人が秀介だってことを。
 私は、慎也が好きなんだよ?秀介じゃない。
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