2人のゴール
「見てよ、慎也。こんなにもらっちゃったよ」
 困りながら言うが、少し笑っている私。
「咲月、岡田先輩のファンなんだってな」
 え?
 今、「咲月」って……。
 なんか、嬉しい。
「そうなんだ~。私、岡田先輩好きなんだ~」
 とはいっても、岡田先輩に恋愛感情は全くといっていいほどない!
 でも、岡田先輩は好きだよ。先輩としてね。
「それって、恋愛感情があるってことか?」
「ううん。ただのファン。ほら、岡田先輩の名札。今日から岡田咲月になりま~す」
 そう言って、胸のポケットに岡田先輩の名札をつける。


< 87 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop