わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】
「ねぇ、たこっちさん」
「はい?」
あたしは
人でごちゃごちゃになっている、ホールへの入口を見つめながら言った。
「関係者もここから入るの?」
チケット持ってないし。
第一に、ファンでごった返している中に入っていく勇気すらないよ。
押し合いへし合い……
「…殺す気ですか?」
「大丈夫ですって!
ちゃんと関係者用の入口ありますからッ」
そうですか、
よかったよかった。