うらばなし

ーー

紫「ただいま、雛。クリームパン買って来たよ」

雛「わあ、クリームパン!ーーあれ?たい焼き頼んだような……」

紫「それよりも、雛。何で、玄関先にいるのかな?もうしかして、逃げるところだった」

雛「ち、違いますっ。その、えっと」

紫「なに?」

雛(びくっ)

紫「どうしたの、雛。言いたいことがあるなら、きちんと言うんだ」

雛「あ、あの」(びくびく)

紫「他の奴の前じゃ喋りまくっているのに、俺の前じゃだんまり?話してよ。時間は死ぬまでたっぷりとあるんだから」(にっこり)

雛「っっー、ご、ごめんなさい!」(たいあたりっ)

紫「ととっ」

雛「あ、れ。押し倒されてないっ」

紫「……」(とりあえず、倒れてみる)

雛「あ、良かった、これで」(よいしょ)

紫(俺に跨がって、何するんだ)

雛「ゆ、許して下さい。もう」

紫「許さーーっっ」

雛(恥ずかしい、恥ずかしいけどーー紫暮さんが許すまで謝って、許さないって言うなら、ちゅ、ちゅーを繰り返せばいいって!)

紫「雛、こんなので、許すはずが……っ!」

雛(ど、どれぐらいやればいいんだろ。ゆ、許すまでかな)

紫「雛、まっ」

雛(まだ許さないって、言われる!も、もう一度)

紫「待って、は、話をしーー!」

雛(話をしたくないほど、怒っているんだっ!や、やだ、紫暮さんに嫌われたくない。もう一度!)

紫「もう、いいから」(ぜえぜえ)

雛(も、もういいだなんてっ!私との関係が!?そ、んなっ、私はこんなに紫暮さんが好きなのに、もう一度!)

紫「ちがっ、怒ってなんかいなっ」

雛(何度もすれば、絶対許してくれる!頑張れ、私!)



< 1,466 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop