うらばなし

ーー

チロ「はあぁ、やっさんに殺されるかと思ったー!でも、こうして手前が生きているともなれば、やっさん優しいのは変わらないはずっ!手前の、やっさんより凄くなるの目標は変わりません!そよ香さんみたいな死人さんをまた見つけて、案内しなければっーーあれ?」

骨「……」

チロ「うわ、珍しいっすねー。“飛べない奴”が骨を食べ残すだなんて。もしもーし、ここにいたら、風邪引きますよー。つか、声帯ないなら話せないか。手足もないようだし、頭だけなんてーーあ、風邪も引きませんね。心配して損でしたねー」

骨「待てやごるああぁ!」

チロ「おわっ、喋った!」

骨「感じるぜえぇ!てめえの成りからして、俺の二番煎じだな、おどりゃああ!」

チロ「はい?」

骨「皆から愛されるますこっと的な立ち位置を狙っているのが、丸分かりだぜボケカスっ!愛されぼでぃならぬ、愛されぼーんな俺様に敵うと思ってんの?ェアーン?あんま真似てっと、俺と著作権法が黙ってねえぜえぇ」

チロ「骨までなった死人さんですから、きっと頭もよりいっそークルクルパーになったんっすね」

骨「誰が床のホコリや髪をまんべんなく取ることが出来る万能アイテムだ、ごるああぁ!」
※それはクイックルワイパーです。

チロ「にしても、頭だけで浮遊するなんて器用っすね。普通、翼なきゃ飛べないもんすよ。手前みたいに」

骨「ハッ、凡人には真似出来ねぇ俺の妙技よ。その気になれば大気圏突入だって目じゃねえんだぜぇ?」

チロ「よく分かりませんが、骨さんが凄い奴なのは、よーっく分かりました!」

骨「おう、よく分かったならもっと分かれや!俺様は、大妖怪溝出様だ!よおく覚えておけよ、コウモリ!」

チロ「手前はコウモリじゃないっす!手前は、チロです!」

骨「ぶはっ!チロ!チロだなんて、だっせー名前だな!きらきらねーむ以下じゃねえか!チーロチロチロチロ!俺様の威厳ある名前を見習えや!」

チロ「もはや名前どころじゃない『骨』になっているんすけど……。まあ、いいや。相手すんのめんどくさそうですし、骨さんなら何とか生まれ変わりも出来るでしょう。ではー」

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