うらばなし

ーー

ナ「くそっ、くそっ。死ね主。ーーい、いや、やっぱ死ぬのはダメだ。こ、転んで怪我しろ主。たまにしか呼ばねえ上に、すぐに返すし。もうちょっと構ってくれたってもいいじゃねえか、くそっ」

シンシア「おや。随分と愛らしい兎さんですわね」

ポチ「マスター。警戒を。悪魔です」

シ「慎みなさい、ポチ。私が悪魔も見分けられないとお思いなのかしら?私の目は節穴と言いたいの?」

ポ「失礼致しました、マスター」

シ「舌を噛みなさい。血が出るまででいいですわ。噛み切っては、あなたの口から謝罪が聞けないですもの」

ポ「はい」

ナ「ちょっと、待ったああぁ!」

シ「うるさい兎ですわね」

ナ「いきなり現れて、目の前でそんなR指定すんなってーの!って、おまっ、口から血が!」

ポ「マスターの命令は絶対ですので」

シ「いい子ですわ、ポチ。それでこそ、私の犬。後で紅茶を淹れて差し上げますわ。とても熱い物を。その舌で味わいなさい」


ナ「ダメだこいつら、関わっちゃいけねえ人種だ」

シ「ところで、そちらの兎は、何故、私の屋敷にいるのかしら」

ナ「あ?ここ、お前の屋敷か?」

シ「ええ。仮住まいですけど。私の召喚物になりたくて?」

ナ「俺にはもう、主がいんだ!だあれが、お前みたいな金髪お嬢様に仕えるかよ!」

ポ「マスター。昨日来た、あの客の召喚物では?」

シ「客ではありませんわ。客であっても、招かれざる客よ。でも、そう。規格外の召喚師として、名高いオドエーヌのことだから、7柱ぐらい従えていると思ったのだけど。こんな無名の兎ですのね」

ナ「お、俺が主の召喚物で悪いか!」

シ「別に。あれが何を仕えようとも興味ないのだけど。そう、『言うことを聞かない子がいるから、手を貸せ』と言っていたのに。ふふっ、この程度の小物も扱えないだなんて。オドエーヌの器も知れますわね」

ナ「怒った!マジで怒った!女だろうと、美少女だろうと、殴れる男だからな!俺は!」

シ「正しくは、男の子でしょう?悪魔の年齢は外見に比例しませんが、あなたからは年季を感じられない。駄犬相手でも、勝てますでしょう。ポチ」

ポ「はい、マスター」

ナ「おう、やってやる!こい!主を馬鹿にする奴は、まとめてたたんでやる!」

シ「ーーと、思いましたけど、これではあの男の手のひらだと気付きましたわ」

ナ「へ?」

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